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新潟4スタンス理論セミナー


2023年9月2日〜3日、約1年ぶりに新潟に伺いました。一般募集をする前に待ちわびてくださっていたリピーターさんによって個人レッスン枠は埋まってしまい、お受け出来なかった方、申し訳ありませんでした🙏

また、すでにセミナーやレッスンを受講済みの方たちからのおすすめでセミナーにご参加くださった方もいらして大変ありがたかったです。
生徒さんからのお声がけでご参加くださる先生もいらして、新潟の皆さまの柔軟さと勤勉さには頭が下がります。

実際のところ、お悩みで多いのは、「師事している先生に注意されることが出来ない」または「師事している先生が4スタンス理論を知らないから、明らかに自分に合わない事や出来ないこと、やりにくくなる事を求められるからどうしたら良いですか?」というご質問。

4スタンス理論は人によって身体の使い方は4通りありますよ、という理論です。詳しい事は知らなくても全く問題は無いけれど、『みんな同じ』という前提でアプローチしてこられる先生については、もう打つ手が限られます。

一番良いのは、「先生、4スタンス理論はご存知ですか?どうやら人によって身体の使い方が違うらしいのですが…」と様子を見ながら恐る恐るお話してみる方法だと思います。(様子を見ながら恐る恐る話さなければいけない日本の大半の師弟関係…)

ご自分に軸がおありで、真理を追求しようとされていて尚且つお弟子さんへの責任感がおありの先生であれば、「あら、それは何?」というお話になるのではないかと思います。
これは、師弟関係に限らず、お仲間やご友人などでも同じでしょうね。

新潟はこうやって確実に広がっています。そして一番嬉しいのは、そうやって4スタンス理論に出会って、(多分)半信半疑ながらも実践し継続されている皆さんの実際の演奏を聴いた方が、それまでとの大きな変化や進歩を感じてその変貌ぶりに驚き4スタンス理論に興味を持ってくださる、という流れが出来ていることです。

その最たる例がこのセミナーを一人で企画し運営してくれている小林浩子さんです。

彼女の成長、変貌ぶりに興味を持ってくださった先生も以前受講してくださいましたし、今回もその変化で興味を持ちましたという大学の准教授の方がいらしてくださいました。

日本人ってみんなどMなの?と思ってしまうくらい、皆さん『出来ないのは自分のせい。努力が足りないから。センスがないから。才能が無いから』と思い過ぎ。本当にそうでしょうか??

今までのレッスンで「もうこれは私の限界だと思うんです。少しでも弾きやすくなる可能性があるのなら…」という感じで、本当に遠慮がちにそぉーーっと楽譜を出していらっしゃる方が何人もいらっしゃいました。
(この瞬間が私は一番ワクワクします😃だって次の瞬間に驚かせられることが分かっているから!)

そしてご自身に合った身体の使い方や音楽の捉え方についてお話すると、皆さま一瞬で変わります。「出来た…」とキツネにつままれたようなお顔になり、そしてパァーッと明るくなります。そして何人かの方は思わず涙を流される方もいらっしゃいます。

そのお悩みが、例えば物理的に『手が小さい』とか『届きにくい』『身体が小さいから大きい音が出ない』などでもほぼ関係ありません。

私がすることは、ただ単にその方の身体のセオリーに則ってどう使ったら、あるいはどう考えたらやりやすくなるかをご提案するだけです。

それがその方に合っているアドバイスであれば一瞬で変わるのです。私は以前から、「真のアドバイスであれば瞬時に変わります。持ち帰ってしばらくやらなければ出来ないことの中に真実はありません」と結構思い切ったことを言っています。

でも、日本人はむしろ、すぐに出来ない事を言われる方が価値のあることを言われたと思う方が多いみたいですね(笑)。まあ、それが良い方はそちらの道を進んでいただいて構いません。

ただ、合わない方法のせいで身体を痛めたり自信を無くしたり、深刻なケースは死にたくなっていたり(本当にいるんです!)する方に、やり方が違っていただけ、と知っていただきたいのです。

使い方が違う時、あるいは何か問題が起きている時、物であれば警告音を発することが多いですね。ガス漏れが起きていればガス警報器がピーピー鳴って教えてくれます。冷蔵庫がちゃんと閉まっていない時もピーピーとお知らせしてくれますね。

この警報音に相当するのが、身体の場合、『痛み』です。それが酷くなれば『怪我』であったり、病院で名前が付くような『〇〇症』『〇〇炎』ということになるでしょう。

冷蔵庫の扉をちゃんと閉めたら警報音は鳴り止みます。身体の痛みも、正しい状態に戻してあげたら痛くなくなります。

せっかく身体が教えてくれているのに、なぜか私たちは身体の痛みだけは『お知らせ』と受け取らずに、警報音を『うるさい!黙れ』と言って警報器の電源を抜いてしまいがちです。痛み止めを飲んだり、痛みを取るための対症療法は全てこれに相当します。
(勉強会でこの話をしている最中にいきなり何かの警報音が鳴り響きました!何だ何だ?と探すと、「換気が必要です」という親切なお知らせでした。慌てて窓を開けて換気すると警報音は止みました。まるで私が仕組んでいたようなタイムリー過ぎる出来事でした😎)

知らせても知らせても無視され続けた身体…
かわいそう過ぎます🥲

でも凄いのは、身体って、長年その状態にあったとしても、合っている使い方に戻してあげると、割とあっさり『そうです!』という風に回復していくことがほとんどです。

そして良くあるのは、何かが限界に達してSOSを発してきた方に正しい立ち方をお伝えして、わずか数日後に、「で、その後痛みはどうですか?」とお聞きすると、「何のことですか?」と聞かれることがあります。つまり、もう痛くないから忘れているわけです。
苦笑しながらも『良かった』とホッとする瞬間です。

話を戻します。

ご自分は4スタンスに出会って自分に合う使い方が分かり様々な問題が解決してきているのに、師事している先生のレッスンを受けるとまた自分には合わないやり方を指導されてしまい、混乱したりまた元に戻ってしまったりします。

続けて行くうちに、どんな言葉は受け止めても大丈夫で、どんな言葉やアドバイスは自分にとってNGかが分かってくればよいのですが、そこまで理解が進んでいない時は、こちらからのアドバイスが必ずしもプラスに働かないことも出てくるかもしれません。

両方をやろうとする状態はアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものですね。とてももったいないと思います。

レッスンやリポーズを定期的に受けてくださっている方なのに、いつまでたってもどこかの痛みがあまり減っていかないとか、抱えている問題があまり解決に向かわない場合、ご自分でも気が付かないうちにアクセルと同時にブレーキを踏み続けているケースがほぼ100%でした。

それでも継続されていると、どこかのタイミングで気付く時がくるみたいです。ブレーキになってしまっている言葉やアドバイスはほとんどの場合かなり昔に『全部正しい』と思い込んでしまうような時期に言われた言葉であることがほとんどです。本人にとっては当たり前になり過ぎていて、よもやそれが自分の成長を阻んでいるなんて想像もつきません。

それでも、リポーズを続けて行くと身体の軸が整ってきます。すると生き方にも軸が出来てきて、直観的に様々な物事(や人物)についても瞬時に判断がつくように変化していくようです。

今回初開催だった勉強会では、4スタンスについての具体的な質問がたくさん来るのかと思いきや、意外なことに4スタンスがどこに繋がり人生にどう変化をもたらしていくのか、というとてもとても深い話になりました。でも、実のところ私が4スタンス理論を皆さまに知っていただきたい理由はそこにあるのです。

音楽の演奏が上手になることはもちろん嬉しいことですが、自分の身体を知ることで自分自身に愛を向けられるようになります。そうするとおもしろいことに生き方が変化してくるのです。
他人軸から自分軸へ。そうなったらしめたものです!

4スタンス理論の概要を聞きタイプを知って満足してしまう方も多いのですが、本当はそこがスタートです。自身の身体と向き合い続けた人だけが到達出来る世界があり、新潟で学んでくださっている方々とその事が共有出来つつあることは私にとっても大変嬉しいことでした。

今回は新潟で大きなイベントが2つほど重なったようで土曜日の宿が全くとれませんでした。それで、新潟近郊の温泉宿に泊まったのですが、あまりにおもしろすぎたのでまた後日その事について書いてみます🤗

つづく…