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つづき

・・・つづき

というわけで、新潟市内はどこもいっぱいで、咲花温泉という温泉地にお宿をようやく取ることが出来ました。

小林浩子ちゃんが車で送ってくれました🚙。間も無く着くという頃、少し先に真っ黒な煙が上がっていて、「火事??」と思ったらどうやらSLとのこと🚂。今も走っているんだ⁉︎とびっくりでした。
ポッポー🚂となつかしの汽笛を聞きながらお宿に到着。古くからの温泉宿というたたずまいに胸が高鳴ります😃

チェックインを終え3階のお部屋へ向かいます。エレベーターを降りると…真っ暗。。。
えっっっ?昭和初期的な建物なので結構怖い…。

おそるおそる歩き出すと、通った所に電気が点くシステムのよう。『普通は先んじて点くんじゃない??』[心の声は『 』でお届けします]
と心の中でツッコミを入れながら廊下突き当たりを右に曲がった一番奥のお部屋に到着。角を曲がった時の怖さを皆さまに是非お伝えしたい…👻

お部屋に入ると、広ーいお座敷と奥にはベッドルーム。広ーいお座敷の真ん中にテーブルがあり、その上にはお茶菓子が。しかしそこで私は軽い違和感を覚えました。その違和感の正体は、お皿にのった大きめの大福…そしてその上からラップしてある…。『ラップ?』つまり、裸の大福がお皿にのせられて、その上からラップされているという状態です。

温泉宿ではどこでも必ず何かしらのお茶菓子が用意されているものですが、普通は個包装のその温泉オリジナルのお菓子や地域の銘菓のことが多いように思います。
まるで田舎のおばあちゃん家にいったようなおもてなしに戸惑いまくり。

そして、お茶菓子にはお茶。というより、温泉に行ったらお茶をいただくのが楽しみな私ですが、テーブルの上には水のペットボトルが1本ドン!と置いてあるだけ。『まあ、ご時世だからねぇ』と自分を納得させて、とりあえず気を落ち着かせようかとテレビをつけようとリモコンをかざすけれど一向に反応無し。広ーいお部屋の割に小さーいテレビなので、ついたとしても見えるかな?くらいに思いながら近寄ってみるとコンセントが抜かれていた🔌。『節電?』

浩子ちゃんにもらったキリンのiMUSEをお風呂上がりに飲めるように冷やしておこう〜、と思い奥にある冷蔵庫を開けると、ん?冷えてない?
温度調節のツマミをクルクル回してみるけれど反応が無い。あっ💡と思い裏を見るとやっぱりコンセントが抜かれていた🔌『徹底的な節電』

気を取り直してお風呂に入りに行くことに。大浴場は殿方とご婦人をくれぐれも間違うな、とフロントできつく言われたので、慎重に“ご婦人“を選び階段を上がる。でも、間違いようが無いくらいでっかく書いてあるから絶対大丈夫そうだったけれども🤔😆

そしてご婦人の浴場の引き戸をガラガラ開けると…真っ暗。また真っ暗。これも進むと灯が点くタイプ?と思い、少し進んでみるけれど真っ暗。

入り口についているスイッチを入れて点灯💡
『大浴場も節電?変わってるなぁ』

今回の旅に化粧水などをすっかり忘れていった私でしたが、温泉には必ず置いてあるよね!と洗面のあたりを見ると見事にほとんど何も無い…。『珍しっ!』と思いながら温泉に♨️真っ黒なお湯なのですね。この温泉地は。

温泉であたたまり、次は夕飯へ。
居酒屋のような個室になっていて、囲炉裏のようになっていた。「お飲み物は?」と聞きにきてくれたおばさんは、仲居さんというよりはお手伝いに来たおばさんという感じ。お飲み物はと聞かれたけれど、一体何があるのか全然わからない。『メニューも無いんだな』と思い、とりあえずお水をもらうことに。すると、田舎のおばあちゃん家で出てくるような大きめのカラフルなコップに氷をたくさん入れた状態でお水が出てきた。『なんか和むなぁ』
(別なお部屋にはメニューはあったみたいでした)

そして、「どうぞ」とだけ言われて、お品書きも無ければ何の説明もないお食事がスタート。

旅館というよりはおばあちゃん家に行った時のような感じのおかずが置いてある。

ところてんやもずく酢…。『温泉でところてんは珍しいねぇ』と思いながらツルツルといただき、火がついた器を見つめる。『これは一体何だろう?いつ開けていいの?開けに来てくれるのかな?』
温泉のお食事にはつきもののその場で火をつけて調理されるアレです。ヘルシーなものばかりだったので、動物性タンパク質を求めてそっと開けてみると、うすーーい豚肉(しゃぶしゃぶ用かな)が3枚と下に玉ねぎが申し訳程度に敷いてありました。『これならとっくに火は通ってたな』と思いながらポン酢でさっぱりといただく。

さて右手側には釜飯らしきものがあるけれど、蓋が石で、熱くて熱くてさわれない🔥
布巾のようなものも見当たらないしティッシュもなさそうだからとりあえず諦める。

しばーーらくして、お味噌汁と天ぷらが運ばれてきた。そのおばあさんに、醤油皿に注がれたたっぷりのお醤油は何に使うのか聞いてみると、「あっ…刺身……」と言って慌てた様子で出ていった。

そこから待てど暮らせど“刺身“はやってこなくて、そうこうしているうちに寒くなってきた。

気付くと、私の背面からきっちり私めがけて冷風が吹きつけていた。
温度を上げさせてもらおう、と思い壁にくっついているリモコンを操作してみるが反応無し。角度が悪いかな?と思いリモコンを手に取ろうと試みるけれど、ビクともしない…。

仕方なくそのまま冷風に冷やされ続けた。
すると、ようやくお刺身の登場〜👏

『ん?』それほど大きくないお皿(これも実家にありそうな昭和っぽいお皿)に所狭しとお刺身が重なっている!真上に重なっているのです。

お刺身って、全ての素材が見えるように美しく盛り付けられるものだと思っていたけれど、掘っていくと下の方になにやら白身のお刺身がいる。

そして、一番上にはサイコロ状のマグロの赤味が。『なんでサイコロ?アメリカじゃあるまいし』と心のツッコミはMAXに達した。

新潟のお刺身は美味しいに決まっているけれど、なんだかいろいろ怖くなってきて、そして身体が寒すぎて早々に引き上げた。
 
ちなみに熱々の釜飯の蓋は、お刺身が来たタイミングで意を決して素手で開けました。

部屋に戻ると部屋もさっきと同じ位寒い😨
エアコンの温度を上げようとして分かったのだけれど、温度設定が17℃だった。寒っ🥶

これで風邪なんてひいたらたまらないと思い、もう一度温泉に入ることに。でもあの怖い廊下をまた行くのかと思うとなんだか気が進まなくて部屋のお風呂でもいいかなぁ、と思い覗いてみたら、お湯は蛇口をひねっても一滴も出てこなかった。洗面所のお水もちょろちょろ〜(皆さんのイメージよりもはるかに少ないちょろちょろです)でした💧

先ほどとは入れ替わった大浴場。こちらには露天風呂も付いていますから是非、と勧められていたので、露天風呂に入ろうと外へ出ようと引き戸を引くが一向に動かない…。反対側が動くのか?と思い引いてみるがやはり開かず。
『・・・・・』じーーっと中のお風呂に入り微動だにせずあたたまって出た。

『いろいろ謎だし怖すぎる』という思いを1人で抱えて、『こんな時、浩子ちゃんが一緒ならギャハハハハ言いながら盛り上がれたのになあ』とやらせない気持ちに😆

もうさっさと寝るしか無い!と思いベッドに入ると、そこは見事に冷房が直撃。28℃くらいまで温度を上げなんとか調節。
布団の中で本を読みながら何となく気になって確認してみると、ベッドの布団はおそらく布団の布団。だって柄が絶対に布団の布団なんだもの!🤣

何事も無く朝を迎え(ホッ)、早い出発の私に朝食の代わりにおにぎりを持たせてくれた。

あらためて見ると、フロント前の入口正面には花咲か爺さんの大きなオブジェがかなり豪華に飾ってあった。『ああ!なるほど!花咲か爺さんってここの土地のお話なんだ!』と嬉しくなり、フロントの方に聞いてみると、「いえ、全く関係ありません!ただ、気分が盛り上がるかなぁと思って作ってみただけです」とのこと。

がっくりと肩を落としてそのお宿を後にしました。がっくりついでに、宿泊費のお支払いが「現金のみです」とはっきりと言われて衝撃。『今どき珍しいな』と思いながら、ギリギリ持ち合わせがあって良かったと胸を撫で下ろしました。

駅に着き、いただいたおにぎりを食べながら待つことに。大きーく握ってくれたおにぎり🍙は、食べても食べても具は出てこず、『やはり米どころ新潟は米で勝負するんだね?』と感心しながら🍙の底面に差しかかると、梅干しが!そしてその隣にも梅干しが!さらに隣にも梅干しが。
3個、底面に横並びに入っていました😅

2つ目のおにぎりの具は何だろう?と気になりお腹はいっぱいだったけれど少しかじってみたけれどやはり具は出てこず。

あ、そうだった!と思い、底面の横をかじったら出てきた出てきた〜!また梅干しが〜3個‼︎

これって新潟の文化なの?と浩子ちゃんに聞いてしまいました🤣🤣🤣

ちなみに、梅干しは小梅ではありません。結構果肉が豊かめな梅干しでした。

以上、とても一人では抱えきれない温泉宿での出来事でした♨️

あ、そして最後に。数日後、その旅館からご丁寧に宿泊へのお礼のお葉書が届きました。
「何かと至らない点もあったかと存じますが」
とあったので、ご指摘いただけたら改善に努めるのかと思いきや、「何卒ご容赦ください」と書いてありました。
最後まで笑わせてくれたお宿でした。

ただ、正解だけ知りたい😂

おしまい