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講座「本当の譜読み」って?

「譜読み」という言葉ほど人によって様々に捉えられている言葉はないかもしれません。

文字通り「楽譜を読むこと」を指しますが、楽譜の『全て』を読み取ることで初めて作曲家が求めた作品像に近づくことが出来ます。

楽譜にはいろいろなことが書いてあるのに、一般的には、音(ドレミ)とリズムのみがその通りに守られて、スラーやスタッカートなどのアーティキュレーション(発音の仕方)はおろか、強弱記号、表情記号ですらないがしろにされがちです。なんなら、勝手にやり易く変えても良いと思っている人もいるくらいです…。

私たちが学んでいるクラシック音楽は『古典』です。自由にやっていいポップスの領域とはそもそも全く違います。時代によって、作曲家によって、あるいは作品のジャンルによってもふまえておかなければならないことがいろいろあります。それらを知った上で演奏する必要があるわけです。

私は生徒さんたちにこの約束事を徹底的にお伝えし続けております。テキストで出会っていく一つ一つの記号についてしっかり読める子になって欲しい、といつも思っております。

そうやって積み重ねて身に付いてきた生徒さんたちとのレッスンでは、譜面の読み取りに関する質問が多くなります。それについて一緒に検討、検証していく時間は私にとってもおもしろく、とても有意義な時間です。

またそれとは別に、人が何かを身に付けていく時に知っておかなければいけないことについても併せて紹介していこうと思います。

本当に力がつく譜読み、つまりは本当に素敵な演奏が出来るための譜読み、についてお伝え出来る貴重な機会になるのではないかと今からとても楽しみです。