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ブルグミュラーのタイプは?

5月から始めたYouTubeへの演奏動画の毎日投稿も今日で77日。

動画撮影に慣れる目的で、ブルグミュラーの「25の練習曲」からスタートしました。そしてギロックをはさんで再びブルグミュラーの「18の練習曲」へ。

こちらは当初は取り組む予定には無かったのですが、毎日聞いてくださる方たちからのリクエストがあったためやってみることにしたのですが、こちらが思いの外大変でした。

そもそもあまり馴染みがなかったということもあるのですが、様々な困難にぶつかりました。

一つには楽譜の版の問題です。

譜面に書いてある音符やアーティキュレーションの指示とペダリングが全く合わないことがきっかけで疑問を持ち始め、そもそもそのペダリングの指示はブルグミュラー本人のものなのかどうかを調べ始めたところ、どうやらそうではないことが分かりました。

別な版で楽譜を購入し直してからはストレスはだいぶ減りました。

しかし、ほどなく別な問題が…。
今度は、楽譜に書かれている強弱や速度に関する指示に強烈な違和感を感じ始めたのです。
これらはブルグミュラーによる指示のようですから楽譜の版が変わっても共通部分です。

こうなると、私の問題…。

たいていの曲では、書かれている指示を見ると、作曲家がどのような音楽をイメージしていたのかの予想は立つのですが、ブルグミュラーの指示の所々で、それが上手くイメージ出来ないという問題が頻発しました。
仮にイメージ出来たとしても、私自身の身体の反応としてそれが上手く出来ないといいますか。

これはもちろん、私のテクニックが‘無い’ということなのかもしれないのですが、そういうことよりもむしろ、4スタンス的に言う‘タイプの違い’ではないだろうか?と考え始めたのです。

非常に短いスパン(1〜2拍)でのクレッシェンド(だんだん強く)やディミヌエンド(だんだん弱く)で極端な強弱変化を要求される場面が多いのですが、これはパラレルタイプである私にとってはとても違和感のある表現でした。

どうしたものか?と困っているときに、ふと『これって、クロスタイプの人は得意なのでは?』という気がして、周囲のクロスタイプの人たちに次々確認してみました。というのも、私の生徒さんたちはほとんどがクロスタイプの方たちで、その演奏に良く見られる現象だったからなのです。

他のマスター級トレーナーさんにもご協力いただき、様々なことが分かってきました。

先ほどあげた強弱変化の他に、急にブレーキをかけさせるリテヌートという指示もブルグミュラーの楽譜にはかなり頻繁に出てくる事が多いのですが、こちらもクロスタイプの方たちは比較的得意なようです。

一方、ショパンなどで良く見られる長い期間にわたってのクレッシェンドやディミヌエンドはパラレルは得意です。と言うより、自然であり普通に感じる傾向が見られます。

この、速度に関しての話から、これって車の運転とかにも当てはまるのでは?ということになり、それもあわせて調査中です🚗

運転中の‘快ポイント‘や‘こだわりポイント’が各タイプによってどうも違いそうです。

このあたりの感覚が違うと、車酔いしやすいのかも、という気もしてきました。

こんなことを調べる以前は、単純に運転の上手い下手、だと思っていたけれど、どうやらその基準すらタイプごとに違うみたいです。

多分、それぞれの持って生まれた身体の使い方によるリズム感や、そこから生まれる心地良さの違いが、それぞれの持つ美学の差異につながっているのではないだろうか?と思うに至りました。

普通にピアノを弾いたり指導したりだけでは分からなかった本質的なことがまたひとつ見えてきました。

タイプの違いは、上手い下手とか優劣では全く無く、ただ単に各タイプの特徴なので、自分とは違うタイプの方の感じ方や捉え方をおもしがる機会が増えました。

これからもしばらく調査してみます。