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4スタンス整体とリポーズ

学生時代からの友人は知り合った頃からずっと身体の不調を抱えている人でした。彼女曰く、その発端は幼少期の怪我で、頭蓋骨が陥没するほどの重傷を負い、脳波にも異常を来たしたそうです。
身体の左右差であったり、ピアノを弾く際の様々な問題など、いつもいつもどうしたら良くなるかを考えている人でした。

私が4スタンス 理論を学び始めて、身体のことを学べば学ぶほど、これを基にした施術を受けてみたら、少し変わって身体が楽になるのではないかしら?と考えていました。

そのチャンスがようやく訪れ、彼女も友人と整体を受けてくれました。
施術は完全にその方のタイプのセオリーに基づいて『元々の場所に骨を整えていく』ことだけをなさっているようでした。「これってまた元に戻ってしまいますよね…?」と不安げでしたが、施術された先生は明るく「この状態の方が元々ですから」とおっしゃっていました。
身体が軽くなって、それまでずーっと感じていた不具合が見当たらなくなるものですから、『夢のよう』であると感じると同時に『いつかはこの感覚がまた消えてしまうに違いない』という恐れも感じるのだと思います。

そんな様子に、「自分で自分の身体を整えていくためにリポーズという体操があるんですよ」とお話くださっていました。

本当の身体の仕組みや動かし方の理屈が分かれば、痛みや故障が起きている(見えている)その場所ではなく、どこかもっと他の部分(体幹部など)に原因があることがほとんどのようです。痛みや故障の場所を伸ばしたりもみほぐしたりしたところで、改善につながるわけがないのです。

病気のせいでもう指が動かない、と諦めていた別な友人は、身体を整えて腕を彼女のタイプに合った状態に整えてもらっただけで(だけで、というのは失礼なのですが、でも、本当に特別な処置をされたわけではないのです)、普通に指が動きました。「え⁉︎⁉︎⁉︎動いた⁉︎⁉︎⁉︎」と号泣していました。そこから彼女は泣きっぱなしでした。

諦めてしまわなくて本当に良かった、と心から思いました。私の中でそういった友人たちから、医療の現場や身体を整える方たちから言われてきた話を聞くたびに、どうしても納得いかない部分があったので、思い切って施術を受けてくれて本当に嬉しかったです。

本来の身体を取り戻した方々のためにも、私もこれからますますリポーズトレーニングの機会を積極的に作っていかなければ、とあらためて思いました。

4スタンスでご自分のタイプを知るとそれだけでも大きな変化があるので、そこで満足してしまう方が多いのですが、本当はそこがスタートに過ぎないのです。
とっさに反応出来る身体を自ら作っていくにはリポーズです。そのお手伝いを私もさせていただいております。
人間の身体の凄さと自分で自分の身体を整えることの大切さ、そして時にはプロの手を借りて身体を整えていくこと。
例えるなら、楽器を演奏した後の日々の掃除がリポーズで、時々楽器屋さんに依頼するメンテナンスが整体だと考えていただけると良いでしょうか。

明るい笑顔になって、もう一度人生に希望を持つ方がひとりでも増えるといいなぁ、と心から思います。