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宮城県芸術協会音楽コンクール本選を終えて

3月17日(日)宮城県芸術協会音楽コンクールピアノ部門本選が日立システムズホール仙台コンサートホールにて開かれました。

Music Salonからは上級A部門に3名出場し、
秋山泰輝君が最優秀賞と新曲を作曲した門脇治氏より作曲者賞、そして宮城県知事賞も合わせていただきました。

出場した3人とも、素晴らしい演奏でした。
バッハのシンフォニアでは、3声をしっかりと立体的に聞かせることが出来ていましたし、
新曲「ハマベスク」では楽譜から読み取れたことを大切にしながら気持ちをのせて、そして客席に伝わる演奏に3人ともなっていたと思います。聞きに来てくれたピアノの先生をしている友人は、隣の席で演奏に感動して号泣していました😭

何よりもこの3人は、音が素敵でした。あのホールはピアノにとってはとても難しいホールですが、全体的にモコモコしてしまう人が多い中、芯のある美しい響きが会場全体にきちんと届いていました。これは明らかに4スタンス理論実践の成果だと思います✌️

芸協のコンクールは新曲が課題に出るのが最大の特色です。会員でいらっしゃる作曲家の方たちが直々にこのコンクールのために作曲してくださるのです!なんて贅沢なコンクールでしょう!

今回出演した生徒さんで、これまでも何度か新曲に出会ってきた子は、「新曲、ホントに大好きです💕今まで弾いてきた新曲、どれも素敵な曲ばかりで、今でも時々弾いています!」と話してくれたことがありました。
作曲家が書き下ろしたばかりの作品を自らの力で譜読みして、短期間で仕上げる作業はかなりハードルが高いことです。
講評で、新曲を作曲された先生方からもお話があったのですが、『どこにもお手本がない曲』にどのように取り組むのか?どうやって仕上げるのか?というと、全ては楽譜から読み取る必要がある、ということ。そしてそれは、新曲に限らず他の曲でも同じです、と。

楽譜に書かれていることはもちろんですが、書かれていなくても自然に聞こえる音楽のお約束に則って演奏する大切さ、ということも大事です、とお話くださいました。

前方に座っていた生徒たちが大きくうなずきながら話を聞いていて嬉しかったです😊

今のご時世、何でもYouTubeでサクッと検索して音源を聞ける時代です。でも、私は日頃から、自分で楽譜からの読み取りが終わるまで音源は聞かないように話しています。その言いつけを守っている生徒さんたちは、確実に楽譜を読み取る力がついてきていて、非常に忠実で適切な表現を心がけているのが分かります。私の仕事は、その読み取りの解釈が適切かどうかをチェックすることと、楽譜に書かれていないけれども明らかに存在するお約束について伝えることだと思っています。そして、一番大切なことは、それらがしっかり心と耳を経由しているかを確認することです。
これらが出来ていれば、きっと聴衆の耳と心に届く演奏になるのです。

そういう意味で今回の3人の演奏は本当に素晴らしかったです。心から感動しました😌
毎回言っていますが、私は生徒さんたちの演奏がとても好きです。みんな良く歌えるのです。ハマベスクは超〜素敵な作品でしたのでもちろんですが、バッハのシンフォニアでさえグッときました。3人とも本当に良く勉強しました!心からおめでとうを言いたいと思います❣️